没後10周年記念・鴨居玲展/その画業を振り返りこの画家が敗戦後の荒廃の時代をいかに生き高度経済成長の時代に何を残していったかを考える

没後10周年記念・鴨居玲展/その画業を振り返りこの画家が敗戦後の荒廃の時代をいかに生き高度経済成長の時代に何を残していったかを考える

商品説明
没後10周年記念・鴨居玲展/鴨居の画業を振り返りこの画家が敗戦後の荒廃の時代を如何に生き高度経済成長の時代に何を残していったかを考える

1995年 120P 部数は少なそうです。資料用にもいかがでしょうか。

1960年代後半から1980年代半ばにかけ彗星のように輝き、そして消えた油彩画の奇才、 鴨居玲が没して、ことしで10年になります。 私どもは、この没後10年を記念して、 あらためて鴨居の画業をふりかえり、この画家が敗戦後の荒廃の時代をいかに生き、 高度経済成長の時代に、 なにをのこしていったかを考えるために 〈没後10周年記念 「鴨 居玲展」〉 を開催することになりました。

鴨居は新聞記者をしていた父の住地、 金沢市で生まれ、育ち、金沢市立金沢美術 工芸専門学校 (現、 金沢美術工芸大) 洋画科に学び、 渡欧するまで西宮に画室を持ち、 渡欧米をくりかえしたあと、 神戸に住み、57歳の若さで世を去りました。

鴨居とベルナール・ビュッフェとを比較できませんが、 1928年に生まれ、 戦後の精神 的荒廃の時代にデビューしました。 ともに戦争の災禍と人間が生きることと死ぬこと、そ の思想描写や生とのかかわり、 命の実態把握にきびしい観察と探求をつづけてきま した。

鴨居玲は金沢美術工専に在学中の《夜 (自画像)≫から南米への流浪の旅と波乱に富 んだ青春を経て《眠る男》を制作。 《静止した刻》で第12回安井賞を受賞、そして再 び、ドン・キホーテの舞台となったスペイン、ラ・マンチャ地方の田舎に新天地を求めて 旅立ちました。 《酒場》 《 何処へ》 《夢候よ》 《私の村の酔っぱらい》 《教会》 《裸婦》 《蜘蛛の糸(芥川龍之介より)》 《望郷を歌う (故高英洋に)》 亡くなる年の《勲章》に至る まで、油彩画、 パステル画、 パレットなど代表作127点が出品されます。 これらの作品 は、いずれも〈自画像の画家〉として己の存在をぎりぎりまでにみつめて、結晶、 昇華さ せたものです。 鴨居が生涯をかけて追い求めた、いつわりのない人間ドラマでもあった わけです。

最後になりましたが、 この展覧会開催にあたり、本展の趣旨に賛同され、快く貴重 な所蔵品を貸してくださった国公立、 財団の美術館、 個人所蔵家、 協力してくださっ た画廊各位に厚くお礼を申しあげます。
1995年
主催者

お探しの方、お好きな 方いかがでしょうか。

品ですので傷・黄ばみ・破れ・折れ等経年の汚れはあります。表紙小傷、表紙下部やや色あせ。ページ小黄ばみ。ご理解の上、ご入札ください。もちろん読む分には問題ありません。 232722新
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